猫と私 ポチ その29



 我が家が今のうちに引っ越したその頃、私は長男が通っていた鶴川にある、ある学園のPTAの長をしていました。


 2年間、まるでお勤めのように学園に通う毎日。


 帰ってくると、ポチは1日の報告をしてくれます。

玄関に出迎えて、待ちかねたように喋り始めます。10分ほども聞いた後で、やっとうちに入れます。

 同い年くらいのおばちゃん同士、なんだか、本当に気の合う猫でした。


 懐かしいなあ。彼女とは18年連れ添いましたが、これまであんな猫はいなかった。


 左の後ろ足がないために、彼女は大便を踏ん張ることができず、彼女の排便は私の役目でした。

 忙しくて、うっかり忘れてしまうと、大便は腸の中でカチカチに固まり、お腹をこじこじする私の手に爪を立てて踏ん張ります。私の手の甲は、ずっと傷だらけでした。

 よほど苦しいのか、いつも穏やかな彼女が、唸りっぱなしです。

 それでも、出しきるとスッキリするのか、出すときに声をかけると素直に身を任せます。


 本当に、本当に、あらゆる意味で賢い方でした。


 私は数知れないたくさんのことを、この方から学ばせていただいたと、今も、感謝しています。 


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